- ビール製造で廃棄される使用済み穀物を「植物ベースのタンパク質」の製品に加工した
- 世界大手の飲料メーカーがバックにつき、資金提供
- 使う製品に合わせた2種類の製品EverProとEverVitaを提供
これぞアップサイクル!
毎年ビール製造のために何百万トンと廃棄される使用済み穀物を「植物ベースのタンパク質」として価値を見出し、販売しているEverGrain。
創設者のGreg Beltは5年の研究・開発を経て、2つの独自成分を開発。世界に売り込みを掛けている。
廃棄物扱いとなっていた物の価値を高め、有効利用する「アップサイクル」と世界的に高まっている「植物ベースのタンパク質」の需要。
持続可能性の高さと栄養価の高い製品を提供するアップサイクル企業にアメリカ、ヨーロッパの大手が動き出している。
出典:https://evergrainingredients.com/
バックにつくのは世界50カ国以上に製造拠点を持つ飲料メーカー
創設者のGreg BeltはABInBevの元サステナビリティ担当グローバルバイスプレジデントであった。
ABInBev(アンハイザー・ブッシュ・インベブ)はベルギーを本拠地にする世界50カ国以上に製造拠点を持つ飲料メーカー。ビール飲料の世界シェアは3割に達する巨大企業である。この巨大企業の投資部門ZXVenturesから資金提供を受けている。

加えて、原材料となる「使用済み穀物廃棄物」もABInBevから得ている。Greg Belt氏よると年間の大麦の使用量は140万トンであり、この原材料を使って2つの成分を提供している。
クリーンなラベル要件に合うように最小限に加工
アメリカ、ミソウリ州セントルイスを拠点にするEverGrainは食品および飲料用のタンパク質および繊維大麦ベースの原料を生産している。
創設者Greg Belt(グレッグ・ベルト)は「使用済みの大麦」をできる限り最善の方法で使用したいと考え、大麦のタンパク質を研究し、EverProとEverVitaの2つの製品を提供している。
創設者Greg Belt
出典:https://www.linkedin.com/in/gregory-belt-26a7224/
EverVita
EverVitaは焼き菓子やパスタの分野で販売されている高タンパクの大麦粉成分と同じもの。
味はかなりニュートラルな味わいであるため、味や食感に影響を与えることなく、焼き菓子、パスタ、スナックの栄養と健康上の利点を高めることができる。

加えて、大麦のタンパク質で不足しているアミノ酸のいくつかはエンドウ豆タンパク質に含まれているため、2つを組み合わせるとお互いの栄養素を補うことができる。
特性として、大麦タンパク質は95%溶解性であるため、適切な加工を行えば、飲料にも追加が可能。
目的に合わせて選ぶことができるように「EverVitaPro」と「EverVitaFibra」の2種類に分かれており、パン、ケーキ、パスタ、トルティーヤ、ピザクラストなどの焼き菓子全体の最適化されている。

EverPro
こちらは溶解性に重点が置かれている製品で「植物ベースの乳製品」などの用途に販売されている。また、スポーツドリンクなどの清涼飲料に麦の植物性タンパク質を追加して商品を開発することができるとしている。
「EverPro BR(高濃度の大麦米のプロテインパウダー)」
植物ベースの牛乳からコーヒー、スムージーなどの用途
「EverPro BC(高濃度の大麦粒のプロテインパウダー)」
お茶、タンパク質サプリメントなどの用途
今後は世界の醸造業者との提携と他の企業のコラボ
現在のところEverGrain社はバックにあるABInBevと親密な関係にあるが、今後は他の醸造業者と協力して使用済み穀物を植物性の高タンパクな原料に転用するとコメントしている。
2021年1月7日の記事では、EverGrainの製品はオレゴンに拠点にする大麦ミルク企業: Take Two Foodsの大麦ミルク製品「TakeTwo」に使用されている。

加えて、2021年の第1四半期で複数のビジネスパートナーと多数の食品を発表する予定。
参 考
https://www.world-grain.com/articles/14705-evergrain-debuts-new-plant-based-barley-ingredients