植物性ミルクの期待
牛乳に代わる飲み物としてアーモンドミルク、麦ミルク、豆乳など植物性ミルクに人気がでてきています。
「美容によい」「栄養がある」「乳糖不耐症でも飲める」などなど…調べると“よいこと”が簡単に見つかります。

この記事では植物性ミルクの大前提をいくつかお伝えして、「飲んでおいしい植物性ミルク」のおススメをしています。
まずは植物性ミルクの大前提。
- 植物性ミルクの栄養価は高くない
- 本来の栄養はごっそり取り除かれている
- 麦もアーモンドも本来は液体ではなく個体
紹介するのは身近な食料品店「イオン」と「成城石井」の2つの店舗で買えるアーモンドミルクと麦ミルク。

「味の違い」と「使い勝手の違い」に分けて、まとめています(豆乳は省きます)。
植物ミルクの大前提
多くのアーモンドミルク、麦ミルクの栄養は“あまり”ありません。

2つの栄養量を比較してみて下さい。
脂質 54.1g
食網繊維 10.1g~11.0g
ビタミンE 29.8㎎~30.3㎎
カルシウム 260㎎
カリウム 740g
マグネシウム 310㎎
鉄 3.7㎎
タンパク質 10.3g
エネルギー 608kcal
脂質 1.4㎎~5.4g
食網繊維 0.8g~1.5g
ビタミンE 2㎎~5㎎
カルシウム 26.1㎎~30㎎
カリウム 13mg
マグネシウム 25.5㎎
鉄 0.35㎎
タンパク質 0.5g~1.1g
エネルギー 62kcal
エネルギー 350~380kacl
タンパク質 13.7g
脂質 5.7g
食網繊維 9.4g
カルシウム 47㎎
ビタミンB2 0.08㎎
カリウム 260㎎
マグネシウム 100㎎
鉄 3.9㎎
エネルギー 43kcal
タンパク質 0.2g
脂質 1.5g
食網繊維 1.2g~1.5g
カルシウム 83mg~120mg
ビタミンB2 0.2㎎
カリウム N/D
マグネシウム N/D
鉄 N/D
- 数値引用:https://naniwasupli.com/contents/oatmeal/
- 数値引用:https://fooddb.mext.go.jp/details/details.pl?ITEM_NO=1_01004_7
- 数値引用:https://kyodonewsprwire.jp/prwfile/release/M105325/202011046684/_prw_PR1fl_OH5N3Hqj.pdf
- 数値引用:https://note.com/maseyuki/n/n48e6cdc839bf
- 数値引用:https://news.yahoo.co.jp/articles/69aa7700acaf146a45c90901f4d0dfea7e05ab7a
当たり前ですが、アーモンドと麦も個体。牛乳のように液体ではありません。

グラムとミリリットルでは簡単に比較ができません。ですが、栄養の量は非常違います。
植物性ミルクの“よいこと”
ネットで簡単に見つかる情報では、アーモンドは栄養がある!美容にいい!ということがいわれています。
ですが、アーモンドミルクと麦ミルクは、牛乳のほどの栄養を期待することはできません。
理由は、飲み物として製造する過程で栄養の9割ほどが取り除かれているからです。
アメリカのフードテック企業JOIの創設者Tony Jimenez(トニー・ヒメネス)は、普及している植物性ミルクメーカーは、原料の40%を捨てているとメディアにコメント。

Image Source:https://addjoi.com/
製品は水っぽく栄養素のほとんどは取り除かれていると自社Webサイトとメディアで指摘。プレス発表ではつぎのように声明を出しています。
“ほとんどの人は、大半のパッケージ済みの植物ベースのミルクに、注目の栄養成分が2%しか含まれていないことを知りません。”
アーモンドそのものは栄養価の豊富なナッツ類の1つです。
しかし、それはアーモンドであって、アーモンドミルクの状態ではありません。麦ミルクも同様です。
まずはこれを大前提として押さえておきましょう。
そのうえで、アーモンドミルク・麦ミルクの味比べと使い勝手を比較します。
味と使い勝手比べ
成城石井で扱うアーモンドミルク
ポリコム 有機アーモンドミルク


ポリコム アーモンドミルク オリジナル


イオンで扱う麦ミルク・アーモンドミルク
ビオセボン オーガニックアーモンドミルク(無糖)


アルプロ オーツミルク


https://www.alpro.com/jp/
味比較の結果なら…
そのままの味で比較するなら、成城石井のポリコム アーモンドミルク オリジナルが味のバランスがとれていて一番おいしい。
すこし甘い感じのおいしいアーモンドミルクが好きな人は、ポリコム アーモンドミルク オリジナルがおススメです。

もう1種類の有機アーモンドミルクは、砂糖かわりにグレープシュガーが含まれているため、糖分が気になる人は砂糖不使用のポリコム 有機アーモンドミルクがよいでしょう。
残念ながら、イオンで販売しているビオセボン オーガニックアーモンドミルク(無糖)は、粉っぽい感じと味のバランスがビミョー。

グリコから販売されている「アーモンド効果」もありますが、甘さ過ぎるのと味のバランスがよくありません。
イオンで扱いがあるオーツ麦ミルク「アルプロ オーツミルク」はそのまま飲んでおいしく頂ける味。牛乳のように毎日飲むこともできる製品となっています。

使い勝手
豆乳と違い、アーモンドミルク、麦ミルクは牛乳と同じようにコーヒーや紅茶に混ぜておいしく飲めます(豆乳をコーヒーに混ぜる場合は、味のバランスが悪くなり、工夫が必要)。
砂糖入りのアーモンドミルクをコーヒーと混ぜると、甘さ控えめのおいしいアーモンド・カフェオレや麦ミルク・オレが楽しめます。

混ぜる量は5:5で、一番味のバランスが良い感じになります。
砂糖入りのアーモンドミルクを使うと、追加で砂糖を入れて甘くしなくてもおいしく飲めるので便利です。
付録:アーモンドミルクの「匂い」は杏仁豆腐
アーモンドミルクも麦ミルクも使い勝手はあまり変わりません。2つ製品の一番の違いをあげるとしたら「匂い」。

アーモンドミルクは独特の香り(杏仁豆腐のような香り)があります。その香りが気になる人は、麦ミルクを使うといいでしょう。
牛乳のように使える便利な植物性ミルク
牛乳への乳糖不耐症だけでなく、牛に使用される抗生物質、ホルモン剤が指摘されるようになり、環境負荷の問題も危惧されるようになりました。

牛乳を飲む理由は「カルシウム」だとしたなら、他の食べ物でも十分にまかなうことはできます(小魚、サプリメント、etc…)。
実際の栄養価として、一般化されている植物性ミルクに含まれるカルシウムは、牛乳のカルシウムに比べると、大したことはありません。(牛乳100mlで144gのカルシウム、アーモンドミルク100mlでは約30㎎)。
数値引用:全国飲用牛乳公正取引協議会

ですが、麦ミルク、アーモンドミルクは誰でも牛乳のようにコーヒー、紅茶、ココアを入れて楽しめる飲み物です。
牛乳を使う代わりに、植物性ミルクを使うと新しいレシピ、ティータイムの楽しみ方が変わるでしょう。

そして、最初に“栄養があまりない”と書きましたが、それは“今の”アーモンドミルクと麦ミルクについてです。
やってくるかもしれないツワモノ麦ミルク・アーモンドミルク
牛乳より濃厚な味といわれるOatly(オートリー)のオーツ麦ミルク。
スウェーデンのビーガンメーカーが販売している植物ミルクはアメリカスターバックス全店に導入されており、その使い勝手や味、栄養価は今までの“栄養がない植物性ミルク”とは違うといわれます。

アメリカのフードテック企業JOIは、アーモンドやカシューナッツのペーストを販売。水に溶かすと、本来含まれている栄養を含んだそのままの植物性ミルクができる製品を販売しています。
日本市場に入ってくるかは、今のところはまだ分かりませんが、Oatlyのオーツ麦ミルクは期待できます。
加えて、3月27日より、コカ・コーラがオーツ麦ミルク「GO:GOOD おいしいオーツ麦ミルク」を販売開始。
関東と東海エリアで先行販売されています。今後、日本全国で買えるようになるでしょう。

今後は植物ミルク製品がさらにバラエティが増え、にぎやかになっていくでしょう。
まずはアーモンドミルクか麦ミルクを試しに、飲んでみてはいかかですか。