フードテックとは何か?
フードテックに含まれる分野(農業・漁業・畜産業・製造・流通・保存・調理・配送など)が広いため、ここではとてもザックリと一言で説明します。
IT技術を利用して、今まで人が時間と資源を大量に使って生産していたものを、より効率的に省資源で、便利にするもの、と言えるでしょう。
もう少し具体的に長く説明する前に…
1頭の牛から牛肉を生産するのに、どれくらいの飼料と時間が必要かご存じでしょうか?
先に答えから…
かなりザックリですが、27~30カ月の飼育期間(約2年強)、飼料は約24t~27t(1日当たり30㎏食べるとして)。そして、牛は水を1日当たり80㍑の水を飲むとも言われています。
これらの資源を投入して牛肉ができるわけですが…。
食用可能なのは牛の全体重の39%ほどです。残りの約60%の部分は食肉にはなりません。
もし牛の総重量が690㎏なら、約270㎏ほどが食用として使えるということです。
すごいコストだと思いませんか?
このような長い時間と資源を投入して、牛肉はできています。
では、話を戻して…
フードテックとは、高コストな食材の代わりになる新しい食材を短期間に、低資源で、低コストで生産できるようにすること。
今まで以上に効率的な加工と保存、流通を行い、食品ロスを減らして、全体の食品生産性と上げ、無駄を減らすテクノロジーです。
2020年11月現在でフードテックの代表的なものとして、豆から作られる代替肉、代替卵、代替ミルクなどがあります。
これらの代替食材は動物の管理、育成、飼育の手間がないため、短期間に食材の生産が可能です。
なぜフードテックが必要?
フードテックが注目されてるのは解決できる問題が地球規模で大きな問題だからです。
カテゴリー分けをすると以下ようになります。
- 食糧不足の解決
- 資源節約
- 食の安全性向上
- 健康維持
- 労働人材の不足の解消
私たちに直接的に関係してくるのは4つ目の健康維持になるでしょう。
特にメタボリックや生活習慣病などの予防に役立ちます。
根拠はフードテックで作られた食品の多くが植物ベースで高たんぱく、低カロリーであること。
現代人の食生活で過剰摂取となっているものと不足している栄養をご存じでしょうか?
取り過ぎている栄養
- 炭水化物
- 脂質
不足している栄養
- ビタミン
- ミネラル
- 食物繊維
- たんぱく質
健康に興味、関心のある方だと取り過ぎている栄養についてはご存じだと思います。
簡単に食べることのできる菓子パンや惣菜など、これらの食べ物はつき詰めると…炭水化物と脂質がおもな栄養です。
炭水化物や脂質を食べ過ぎて、必要な栄養が取れていないため「新型栄養障害」とよばれることもあります。
最近は不足している栄養をサプリメントで補うというのが当たり前になっていますが、サプリメントでは不足している栄養の一番下「たんぱく質」が摂りにくい。
フードテックで何ができるの?
ここではあえて範囲を絞って、食材に限定します。
・豆やトウモロコシから肉や卵(動物性たんぱく質)の食材の代わりになる代替食材(植物性たんぱく質)をつくり出す。
・今までは人が食べられない、食べても栄養にならないとされていた物を消化、吸収できるように加工する。
・今までの食品添加物を大量に使わずに食品を保存、鮮度を維持することができます。
フードテックで今後何が変わりそう?
今までよりも低コストで植物性たんぱく質を多く含んだ食品を食べることで、不足しているたんぱく質がとりやすくなる。
代替食材をメインにした新しい料理が出てくる。
ヴィーガンメニューがより多くの飲食店や家庭料理で食べられるようになる。
…など、確実に食生活が大きく変わります。
少し前までのような…ごちそうと言えば「焼肉!寿司!」というような定番メニューが、今後はだれも知らなかったような食材を使った料理で食べられるようになるかもしれません。
参考:
https://note.com/venture_research/n/ncaeac0641006
https://marketing-rc.com/article/20190412.html
https://www.kouritu.or.jp/kokoro/column/syoku/index.html
https://www.heart-center.or.jp/rehabnow/3951/
https://www.mhlw.go.jp/www1/topics/kenko21_11/b1.html
https://news.yahoo.co.jp/articles/90105bdb7b748d4ca2e81c5083af4238cb813f91
https://www.naro.affrc.go.jp/publicity_report/publication/files/narcshiryo-11-06.pdf
https://www.ajmic.or.jp/shouhisha/img/2012/qa_pdf/23.pdf
https://www.pref.aichi.jp/chikusan/html/aichinochikusan2005/22_sonota/sn4jisseki2005.htm
http://kumamoto.lin.gr.jp/shokuniku/kisochisiki/kachiku_seisan/hikaku.html