- 微細藻類から生産された代替タンパク質を原料にハンバーグ(パティ)を製造
- 牛肉や市販されている魚の2倍のタンパク質を含む
- 生産力は1週間で20~100個程度、大規模生産に向けた資金調達が期待されている
牛肉、魚の2倍のタンパク質を含むハンバーグ
微細藻類から植物性の代替タンパク質の開発、生産に成功したSophie’s Bionutrients(ソフィーズ・バイオニュートリエンス)は、代替タンパク質でハンバーガー(パティ)の製造を発表。
製品化に向けた新しい段階に入りました。

シンガポール拠点のSophie’s Bionutrientsは、創設者の家族のアレルギーをきっかけに、代替タンパク質の研究開発をスタート。
最短3日間でたんぱく質が生産可能ということでメディアから注目を集めます。
メディア「The Spoon」よると製造が開始されたハンバーグ(パティ)は重さ60g。

ヒスチジンとロイシンなど、9つの必須アミノ酸すべてを含むタンパク質が25g含まれるということです。
この数値は同じ重さの牛肉や一般的な魚の2倍のタンパク質になるとコメントしています。
(牛肉は約20%のタンパク質を含む。同じ60g換算で約12gのタンパク質を含む。データ参考サイト:森永)
微細藻類から生産されたタンパク質は、シンガポール食品庁と欧州食品安全機関(EFSA)が食品の材料として安全であると承認済み。
今後、Sophie’s Bionutrientsは、製品の本格生産に向けた資金調達を動くと予想されています。
各国で藻類ベースの製品開発と生産が進む
Sophie’s Bionutrientsだけでなく、藻類から代替タンパク質を開発、生産を進めているスタートアップの数が増え続けています。
「微細藻類」とひとくくりしても、そのカテゴリーに含まれる種類は膨大です。
スピルリナ、クロレラ、ドナリエラとサプリの原料となっているものから、全く聞いたことのないものまであります。

開発される代替タンパク質の用途も非常広く、代替肉を作るだけに限定されません。
プラントベースの代替肉を「より肉っぽく」するヘム(Heme)。
代替卵や代替乳製品の材料に使用が期待されているクロレラプロテインパウダー。
2万種類の微生物を評価して、発見した野生菌からできるパーフェクトプロテイン。
イスラエルの学生は、スピルリナを原料にしたタンパク質を混ぜた「ファラフェル(Falafel:ひよこ豆をメインにしたコロッケ)」を開発しています。
微細藻類の代替タンパク質のハンバーグ
Sophie’s Bionutrientsは、単細胞の微細藻類からプロテインパウダーを生産。

パティのような肉製品を作るため、パウダーをテクスチャード加工、押し出し、ハンバーグ(パティ)を形成。
その後、10種類のスパイスで味付けがされ、製品となります。
Sophie’s Bionutrientsの生産する代替タンパク質の特徴は、藻類と短期間生産だけではありません。
藻類の増殖に必要な原料(エサ)は、食品産業から出る副産物でまかなっていて、アップサイクル製品として機能も持っています。
現在の生産力は1週間で20~100個ほどのパティを生産可能。その量は小規模生産となります。
しかし、代替タンパク質に関する投資資金の集中と金額をみると、Sophie’s Bionutrientsが資金調達を開始すれば、生産拡大に十分な資金は調達可能といえるでしょう。
今後、ハンバーグに加えて、クラブケーキ、プロテインクラッカーの製造ラインがあるということです。
シンガポールから初の藻類ベースバーガーの販売される日が近いといえます。
参 考
企業HP
https://sophiesbionutrients.com/
メディア情報
メディア「The Spoon」
https://thespoon.tech/sophies-bionutrients-debuts-new-burger-made-from-microalgae/
メディア「Prnews Wire」