代替たんぱく質

2021年アジア全域に上陸を計画、キノコで代替肉を開発したオーストラリアのスタートアップ企業FableFood

  • キノコを主原料にした代替肉を開発した企業FableFood
  • 2021年にアジア市場にキノコベース代替肉を供給
  • 有名シェフHeston Blumenthalが支援、レストランにメニューとして追加

アジア全域にキノコベースの代替肉を

多くの植物ベースの代替肉は、マメのタンパク質を主原料にしている。ひよこ豆、大豆、エンドウ豆など多少の違いはあるものの…やはり豆。しかし、豆を使わないと代替肉が作れないわけではない。

キノコを主原料にして代替肉を製造しているスタートアップ企業:FableFood(フェイブルフード

オーストラリアのフードテック企業、シイタケを主原料にして代替肉を開発。世界で広がりをみせる植物ベースの代替食肉ブームの波に乗り、2021年アジア市場の進出計画を準備。1月にはシンガポールにレストラン、マレーシアで製品販売を計画。

FableFoodの代替肉はハンバーグではなく、煮込み料理や炒め物に「材料として牛肉」の代わりに使えるように設計されている。

世界の植物ベース食品の市場成長率

Zion Market Research (ジオンマーケットリサーチ)のプレス発表(2019年5月)よると、世界の植物ベースの食肉市場は2025年までに212.3億ドル。年間の年平均成長率(CAGR)は約8.6%を予想。

このレポートには植物ベースの代替肉の消費者は主にヴィーガン菜食主義者となっている。

そして、このレポートはコロナ大流行の前に予想された数値。来年以降に証明されるはずですが、さらに高い数値が期待できる。

コロナ大流行後、アメリカ、特にヨーロッパでは、食生活をフレキシタリアン(植物性の食品を好んで食べる)にする人が22%以上となっている。

植物ベースの代替植物ベースの代替肉の市場規模予想の市場規模出典:https://www.zionmarketresearch.com/market-analysis/plant-based-meat-market

スタートアップ企業:FableFood(フェイブルフード)

創設者は菌類の研究を専攻しているJim Fullerと有機キノコ農家Chris McLoghlinによって設立。彼らは「肉の代替品」を最小限の加工で作ることを目標にしてチームを組みます。

彼らがキノコ、シイタケを主原料にした理由…シイタケは成長が遅く、非常に密集した繊維を持ち、肉の構造や食感を真似るのに適していた。栄養面でもグルタミン酸が多く含まれ、自然に「肉の味」に近かったと語っている。

アジアではシイタケは数千年前から漢方薬として用いられ、栄養価の高さはここで語る必要がないほど、当たりまえの事実なっています。

FableFoodの製品

製品の62%がシイタケという代替肉。私たち日本人には、「ひよこ豆」や「エンドウ豆」から作られたハンバーグより、シイタケから作られた牛肉のほうが馴染みやすいと言えます。

シイタケ62%の代替牛肉出典:https://www.harrisfarm.com.au/products/fable-plant-based-braised-beef-11704

主原料:椎茸、ココナッツオイル、分離大豆たんぱく質、砂糖、タピオカ粉、グルテンフリー醤油、酵母エキス、塩、白胡椒、黒胡椒

その他アレルギーの原因となる原料:大豆、卵、マスタード、ピーナッツ、ゴマ、小麦

引用抜粋:https://fablefood.co/ingredients/

チリコンカーン、ストロガノフ、ローガンジョシュの3種類の製品を販売

チリコンカーン、ストロガノフ、ローガンジョシュ出典:https://fablefood.co/rogan-josh-ready-meal/#rogan_top
オーストラリアでfableを扱っているECサイト

有名シェフHeston Blumenthalが支援

FableFoodの製品はシェフが使うことが前提として考えられていました。ミシュラン3つ星をつけたイギリスの高級レストラン Fat Duck(ファットダック)。

このレストランのシェフHeston BlumenthalがFable製品を使い、料理を披露。ロンドンを含む Fat Duckのレストランメニューに追加。

有名シェフHeston Blumenthal出典:https://www.delicious.com.au/eat-out/latest-news/article/australian-start-up-fable-food-co-launch-plant-based-meat-made-mushrooms/9sv546ln

アジア進出のステップ

2021年1月以降にシンガポールにレストランを展開、来年初頭にはマレーシアでの発売も計画。数ヵ月以内にキノコベースの代替肉をアジア全域に販売する予定。

2021年3月にはフードサービスと小売りの両方に発売するために2~3の新商品を生産、拡大する。

まとめ

豆の代替肉が有名になりつつあるところに、シイタケが主原料の代替肉。今後の広がりがとても気になる商品、企業です。

アジア地域でもシイタケは馴染みがあり、料理によく使われる材料。他の代替肉より自然となじむのではないでしょうか。

インドの植物ベースの代替肉企業Upstablishはインドの郷土料理になじみやすいように、最初の製品をカバブにしています。

参 考

https://vegconomist.com/interviews/fable-food-weve-had-hundreds-of-people-try-our-braised-beef-not-realising-it-wasnt-meat-from-an-animal/

https://dinnerly.com.au/blog/meet-the-producer-fable

https://www.delicious.com.au/eat-out/latest-news/article/australian-start-up-fable-food-co-launch-plant-based-meat-made-mushrooms/9sv546ln

https://www.greenqueen.com.hk/fable-food-gears-up-to-bring-its-mushroom-based-vegan-braised-beef-across-asia/

https://www.greenqueen.com.hk/virus-outbreaks-in-slaughterhouses-globally-exposes-meat-industry-danger/

https://www.zionmarketresearch.com/market-analysis/plant-based-meat-market

https://fablefood.co/ingredients/

アイキャッチ画像:https://www.greenqueen.com.hk/australias-alt-protein-sector-poised-for-exceptional-growth-thanks-to-homegrown-superstars/

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Junichi
新しい「食に関する常識」フードテックをわかりやすく要約記事にして配信。twitterで箇条書きで配信 取扱うジャンル: ゴーストキッチン・代替タンパク・キッチンロボなど 経歴: 大手二輪中古販売店でバイク整備士▶︎ANAの傘下の国際物流部門で貿易業務▶︎日本橋で寿司職人▶︎カナダで海運業務▶︎外資系倉庫型小売店▶︎2021年Webライター