- アジア初のジャックフルーツ素材にした無添加の代替豚肉(ジャックフルーツポーク)
- ジャックフルーツの60%の部位は廃棄されており、資源の有効利用にも貢献している
- シンガポール国内の6つのレストランで提供が予定されている
ジャックフルーツを材料に代替豚肉をレストランに提供
シンガポールのスタートアップ企業Karana(カラナ)は、ジャックフルーツを材料にした「無添加植物ベースの代替豚肉(ジャックフルーツポーク)」を発売。
ジャックフルーツを使った植物ベースの代替豚肉では初のブランドとなる。
代替豚肉(ジャックフルーツポーク)はシンガポール国内の6つのレストランに提供を予定している。
天然の無添加素材を必要最小限の加工で「肉らしさ」を追求して、他のヴィーガンミートと差別化を図っている。
加えて、材料となっているジャックフルーツの60%が無駄になっているといわれ、Karanaは無駄になっているジャックフルーツを農家と協力して有効利用し、地域支援も行っている。
ジャックフルーツ(日本名:パラミツ)
呼び名は多くあり、南果(ナンカ)と呼ぶ場合もある。「世界最大の果実」といわれ、重さは40㌔~50㌔にもなる。熟した果肉は強烈な甘い香りを放つ。
脂肪分を多く含み、熟す前の実は「野菜として」タイ料理、ベトナム料理、インドネシア料理で使用される。
種子も食用可能で茹でるか炒めて食べられている。
そのほかにもジャックフルーツの木も木材としては利用されて、家屋、家具、仏像、印鑑、楽器としても利用されている。
添加物だらけのヴィーガンミート
多くの市場で扱われている植物ベースの代替肉の原材料には数々の添加物(保存料、甘味料、着色料、香料)を印字されている。その種類は30を超えることもある。
代替肉企業も特性の異なる植物ベースの材料を「肉っぽく」することに対して、添加物使用を認めている。
持続可能性と健康を意識して選んだはずの植物ベースの代替肉で、逆に添加物を大量に摂取してしまうということが起き、アメリカでは議論が起こり始めている。
この添加物だらけと言われる植物ベースの代替肉に対して、人工添加物を使わないことで、他社との違いを前面に押し出しているスタートアップもある。
最小限の加工で作られたジャックフルーツポーク
ジャックフルーツは特定の方法で調理すると、長時間調理した動物の肉の繊維質に似た食感と外観を帯びることがあるという。
この特性を活かして、Karanaの独自技術で熟す前のジャックフルーツに最小限の処理を行い、動物肉のような食感を高めて製品化して無添加植物ベースの代替豚肉を開発。
創設者Blair Crinchton(ブレア・クリンチトン)は香港で育ちでありながら、シンガポールを立上げの場所として選んだ理由について以下のようにコメントしています。
才能のあるシェフが非常に集中しており、フードテックの世界的リーダーであるシンガポールでの立ち上げを選択しました。
シンガポールの6つの有名レストランではジャックフルーツポークは餃子、他国料理、多彩なサラダ、クリエイティブな料理で使用される予定。
参加レストランの1つ、Candlenutはミシュランの星を獲得したレストランで、多くのグルメ、ヴィーガン、準菜食主義者が訪れる。
このレストランではジャックフルーツポークを Ngoh Hiang料理(インドネシア料理)で提供する予定とのこと。
残りの5つの参加レストランにはButcher Boy、Open Farm Community、Morsels、Atout、GrainTraders。
今後、Karanaの無添加植物ベースの代替豚肉が他の地域で発売されるかは未公表。
しかし、シンガポール以外でも需要は十分にあり、植物ベースの代替肉市場が急速に広がっている今日では、他の市場に参入する次に準備をしていると考えるべきでしょう。
参 考
https://biz-journal.jp/2020/03/post_149296.html