- 単純な卵料理だけでなくベーキングにも使える機能を持つ製品
- 開発者はスタンフォード大学の卒業生がコロナ大流行の都市封鎖中に自宅のキッチンで開発
- クラファン「Kickstarter」の予約注文を開始、目標37,000㌦の資金を集めることを目指す
オムレツもベーキングにも使える粉末代替卵
カリフォルニア拠点のPeggsはひよこ豆を原料に、植物ベースの代替卵の販売を今年から開始する予定です。
1月27日から資金調達のため、クラウドファンディング「Kickstarter」より予約注文のキャンペーンを開始。本格的な生産を進めるために資金を集めています。
https://www.kickstarter.com/projects/420693753/peggs-plant-based-eggs/?ref=kicktraq
Peggsの植物ベースの代替卵はオムレツやフレンチトーストの卵料理だけでなく、ケーキ、マフィン、パンに混ぜてベーキングに使えるという特徴を持ち、鶏卵が持っている機能のいくつかの再現に成功しています。
植物ベースの代替卵の市場は急拡大中
植物ベースの代替卵の市場は急速に拡大していて、過去2年間で228パーセント成長を記録。
植物ベースの代替品市場として最も高い収益性を誇っていると言われますが、その製品に要求される機能は高く、適切な材料を見つけるのは難しいと言われます。
植物ベースの代替卵の最大手JUST社のEat JUSTも鶏卵の代わりとして、その機能には不十分な点がいくつもあるのが実際です。
特にケーキを焼くときに必要なベーキングやプリンを作るときに必要になる熱凝固性を持たせることはできていません。
それでも消費者から高い注目を集めているのは、鶏卵を生産する養鶏産業で問題になる「鳥インフルエンザ」の流行です。
ギュウギュウ詰め過密な養鶏場、過酷な飼育環境、さらに病原菌の発生源として安全と環境負荷から批判が集まりつつあります。
特に「鳥インフルエンザ」の発生で鶏肉の生産と卵の価格に何度も影響が出ています。
2021年春には直接購入可能にする
Peggsはスタンフォード大学の工学、設計の卒業生Grace O’Brien(グレース オブライエン)が、コロナ大流行中のアメリカの都市封鎖のときに、自宅のキッチンで開発しました。
主原料はひよこ豆の粉、ジャガイモ、亜麻(アマ)、スパイスなどで大豆フリー、グルテンフリーの粉末状の製品となっています。
粉末状にすることで長期の保管と食品廃棄物を配慮した製品設計となっているということです。
作れる料理はオムレツやスクランブルエッグの卵料理。キッシュ、フレンチトースト、クッキー、ブラウニー、パン、パイなど、かなり従来の卵の機能を再現できている製品となっています。
まだ栄養では課題もあり、Peggsに含まれるたんぱく質の量は鶏卵と同じではありません。Peggsの一食分含まれるたんぱく質は2g、鶏卵は6gでたんぱく質の面で差があります。
製品改良でひよこ豆の粉ではなく、ひよこ豆プロテインを材料として使うことを考えているということです。
2021年の春には消費者に直接購入できるようにして、1バッグを6ドルで販売する予定。
1月27日から始まったクラウドファンディング「Kickstarter」の予約注文では2袋12ドルから注文ができて、目標は37,000ドルの資金を集めることを目指しています。
フードテックの代替食品を開発する企業は、最先端のラボだけでなく、始まりは「キッチン」からというのは珍しくありません。
私たちのキッチンある食材を集めて、組み合わせてみたら意外と何か代替食が作れるアイディアがあるかもしれませんね。
参 考
https://www.kickstarter.com/projects/420693753/peggs-plant-based-eggs/?ref=kicktraq
https://thespoon.tech/peggs-a-plant-based-egg-made-from-chickpeas-will-soon-launch-on-kickstarter/
https://insights.figlobal.com/plant-based/cracking-plant-based-egg-market
https://www.gfi.org/marketresearch