ポイント
- イスラエルのフードテック企業:ChickP(チックピ)
- 新商品:ChickPNativeStarch(チックピ ネイティブスターチ:高品質ヒヨコ豆デンプン)をリリース
- 代替乳製品、植物ベース代替肉、デザート、スープへ材料として使用可能
- エンドウ豆や馬鈴薯デンプンより増粘性が高い
最初の結論
代替食品(代替肉、代替ミルク、代替シーフード)を開発するフードテック企業にとって、ひよこ豆から生産される植物性たんぱく質とデンプンの期待は大きい。
それはひよこ豆のたんぱく質とデンプンで代替食品(代替肉、代替ミルク、代替シーフード、代替ヨーグルト、代替アイス)のほとんどを生産できる可能性があるからです。
ひよこ豆デンプンの使い道として期待されているのは代替アイスクリーム、代替ヨーグルト。

ヒヨコ豆ってなに?

ガルバンゾ、エジプト豆、チャナ豆とも呼ばれる。
食感が栗に似た豆、インド料理でよく使われる食材としても有名。
日本の気候では栽培に適さないため、日本料理にはあまり使われない。
炭水化物が豆全体の約60%、たんぱく質が約20%という健康食品としてエスニック料理で使用されている。

ひよこ豆の可能性
ひよこ豆デンプンは顆粒サイズが小さいため、エンドウ豆や馬鈴薯デンプンと比較して、増粘に優れている。
この特性を利用して、代替乳製品、デザート、スープ、焼き菓子、さまざまな食品に増粘剤または結合剤として使用可能。
さらにスナック製品の原料としても優れているため、インスタントスープ、スパイスなどの粉末のブレンド固結防止剤(固まらないようにする)として使用可能。
そして、豆に含まれる植物性たんぱく質は植物ベースの代替肉、代替シーフード、代替卵の原料となる。

Innova Market Insights(世界90か国以上のカバーする食品トレンドを分析するグローバルリーダー)は、食品、飲料の材料としてデンプンの需要が世界的に高まっており、2019年と2018年を比較すると、前年比で+7%の成長という調査結果を出しています。
ChickP(チックピ)と同じくイスラエルに拠点を置くInnovopro(インノヴォプロ)は、ひよこ豆プロテインパウダーの生産のために2020年初めに1500万ドル(約15億円)を調達しました。
フードテック企業:ChickP(チックピ)
https://www.chickp-protein.com/company/
2016年にイスラエルで設立されたChickp。代替の乳製品企業と提携して、新製品の研究開発のために植物性デンプンを提供することで計画をスタート。
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このChickpが生産するひょこ豆デンプンを渇望するのはアメリカの代替食品企業。
特に植物ベースの代替ヨーグルトは2019年の売上が前年比の39%増しとなっており、需要の高さが数値として出ています。
今回、リリースした「ChickPNativeStarch(チックピ ネイティブスターチ)」は、遺伝子組み換え不使用。
次世代の天然デンプンとして食品、飲料用途向けとして販売を開始します。
加えて、Chickpは食品に使用する前提の新商品も開発中です。
まとめ
代替食品の材料として期待が大きいひよこ豆タンパクとデンプン。もし、持続可能性(サステナビリティ)を優先して代替食品が世界中に広まったときに、この豆を扱う企業が世界で有名企業となっているかもしれません。
参考
https://www.prnewswire.com/il/news-releases/chickp-launches-non-gmo-chickpea-starch-301173501.html
https://chefgohan.gnavi.co.jp/food/chickpea/
https://thespoon.tech/chickp-releases-new-starch-for-food-and-beverage-applications/
https://thespoon.tech/could-chickpea-milk-be-the-next-oat-milk/
https://www.chickp-protein.com/company/