オペレーション

専門店の集まる高級フードホールをバーチャル化したCrave Hospitality Group

  • 店舗内に多数の異なる専門店を備えたゴーストキッチン
  • デリバリーは外部のギグエコノミー使わず、サービスの質の高さを求めた
  • 顧客の注文がデリバリー、キッチンにシステムで共有され情報伝達のミス無くす

バーチャル化したフードホール

フードコートより専門的な店を集めた飲食店街「フードホール」。これをゴーストレストラン化したCrave専属のデリバリースタッフがギグエコノミーではできない上質なホスピタリティを提供。

2020年11月、アイダホ州ボイジーに最初の「バーチャルフードホール」の施設をオープン。

顧客の注文はデリバリーとキッチンの両方に注文した段階で共有され、料理完了の時間を配達員は考慮して動き、指定された場所に高級料理を運ぶ。

コロナ大流行で広まったゴーストキッチン・ゴーストレストランホスピタリティを加え、独自路線の高級ゴーストレストランの運営を開始。

2020年12月16日にシード資金730万ドル(約7億3000万円)を調達。

Craveのキッチンスタッフ出典:https://www.cravedelivery.com/

フードコートの発展とゴーストレストラン

大型ショッピングモールやデパートには大体ある食堂コーナー「フードコート(Food Court)」。テナントとして入っている飲食店はファストフード寄りのものが多く、値段は低価格帯。これを発展させたものがフードホール(Food Holl)

イギリスが起源とされ、より専門的な料理を提供できる飲食店(フランス料理・韓国料理・イタリア料理・懐石料理など)を1つの建物に集め、料理の質、サービスを上げたもの。

フードホール(Food Holl)

ファーストフードチェーンで構成されるフードコートとは異なり、フードホールは通常、地元の職人のレストラン、肉屋、その他の専門店を1つの屋根の下に組み合わせている。

引用抜粋:https://en.wikipedia.org/wiki/Food_hall

フードホール

飲食業全体がコロナ大流行で自由に営業ができなり、普及したのが店舗を料理するだけに限定し、消費者に料理をデリバリーする「ゴーストキッチン(バーチャルレストラン)」。

Craveはこの2つのモデルを掛け合わせて、「バーチャルフードホール」といえる施設を運営している。

加えて、デリバリーに高いホスピタリティを加えて、「高級バーチャルフードホール」とも言うべき前例のない高級路線のデリバリーを始めている。

高級料理

Craveのバーチャルフードホール

Craveの施設は広さが15,000平方フィート(約4.5平方km)。16のキッチンスペースがあり、それぞれのキッチンを中華用、ピザ用など作る料理に合わせてカスタマイズ可能な機能がついており、料理用器具が用意されている。

建物中央には食堂ではなくベルトコンベアーが通り、料理が出来上がったらキッチンから専用コンテナを配達車両が待機するところに運べる作りとなっている。

キッチンから専用コンテナ出典:https://www.cravedelivery.com/

Craveの施設のレストランパートナーは月額約6000ドルでキッチンスペースを借り、配送料を含むマーケティング代として売り上げの22.5%を支払うことになっている。

高級料理を独自配送チーム(モバイルサーバー)が配達

通常のゴーストキッチンでは配達はUber Eatsなどのデリバリーを請け負う外部業者を使うことが多いが、 Crave直接雇用の専門配達チームを立上げている。

彼らを「モバイルサーバー(mobile servers)」と呼び、レストランサーバーのようなポジションで注文客に質の高いサービスを提供する。

Craveの共同創設者であるDevin Wadeモバイルサーバーのチームに「地元の最低賃金の約3倍を支払った」と述べている。

サーバー(server)

日本でいうところの、「ウェイター」「ウェイトレス」で、お客様からのオーダーをとったり、食事を運んだりします。日本と大きく違うところは、テーブルごとに担当サーバーが決められること。

担当サーバー以外がお客様からのオーダーや質問に答えることはできません。

ようするに、担当するテーブルの責任者となります。…中略…「サーバー」は、お客様に一番近いポジションで、お客様にレストランでの時間を楽しませるエンターティナーのようなポジションです。

一部抜粋

Craveは配達ドライバーを「ドライバーの品質」ではなく、「サーバーの品質」を求めて採用していると説明。ドライバーを募集するのではなく、コロナ大流行で働けなくなったレストランサーバーを雇用した。

直接雇用にすることで彼らを専属に訓練を行い、注文客に高い満足感を提供することを目的としている。

「注文客に説明の必要な料理について専門知識を持った配達員が対応。次回の注文のときのアドバイスも可能だ」としている。

バーチャルフードホール出典:https://cravehospitalitygroup.com/

顧客はCraveのアプリから複数の異なるジャンルの高級料理を選ぶことができ、注文はデリバリーとキッチンでシステム共有される。料理完了の時間を担当するモバイルサーバーは考慮して動き、指定された場所に高級料理を運ぶ。また顧客自身で料理をピックアップすること可能だ。

2020年11月にアイダホ州ボイジーに最初のコンセプト「バーチャルフードホール」をオープン。

2020年12月16日にシード資金730万ドル(約7億3000万円)を調達。

2021年に4つの施設をオープン予定。ソルトレイクシティエリアに2つ、ダラス近郊に2つ。

2022年にさらに10施設が計画され、今後2年間でアメリカの全国都市でオープンすることを計画。Craveはバーチャルレストラン・ゴーストキッチンの概念をさらに成長させようとしている。

参 考

https://www.nrn.com/emerging-chains/crave-collective-brings-ghost-kitchen-twist-idaho

https://thespoon.tech/mobile-servers-and-menu-innovation-craves-virtual-food-hall-brings-fine-dining-to-the-delivery-realm/

https://www.restaurantbusinessonline.com/technology/boise-ghost-kitchen-wants-bring-hospitality-delivery-business

https://thespoon.tech/crave-raises-7-3m-to-expand-its-virtual-restaurant-ghost-kitchen-concept/

アイキャッチ画像:https://cravehospitalitygroup.com/

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Junichi
新しい「食に関する常識」フードテックをわかりやすく要約記事にして配信。twitterで箇条書きで毎日配信 取扱うジャンル: ゴーストキッチン・代替タンパク・キッチンロボ・アグリテックなど 経歴: 大手二輪中古販売店でバイク整備士▶︎ANAの傘下の国際物流部門で貿易業務▶︎日本橋で寿司職人▶︎カナダで海運業務▶︎帰国▶︎外資系倉庫型小売店▶︎パラレルワーカー