オペレーション

10,000種類のレシピを搭載し複数の料理を提供するキッチンロボYPC1

キッチンロボ「YPC1」
  • 1つの料理を作るのではなく、複数の料理を作るようにレシピがプログラムされているキッチンロボ
  • キッチン業務を担当する人を助けることが目的
  • 限られた厨房や狭い厨房で使うことを前提に開発

一万種類のレシピをプログラミングされているキッチンロボ

ピザロボットのPAZZI、パスタを作るDaVinci Kitchenグリル焼きを作るFlippyなど特定の料理に特化したキッチンロボが開発されている中で、10,000種類のレシピがプログラムされているキッチンロボがある。

ピザロボット:PAZZI
ピザロボット:PAZZI
出典:https://www.pazzi.co/en/pazzirias/

カナダのキッチンロボティクス企業:YPC Technologiesは小規模キッチン、レストランで使用する用途の広いキッチンロボを開発した。

ロボット名「YPC1」、20分以内にアスパラガススープキノコのリゾットバナナアイスクリームを作るデモンストレーションを披露。

創設者兼CEOのGunnar Grassと最高執行責任者(COO)のKaunteya Nundyの2人は「キッチンから人を追い出すことが目標ではない」という考えを強調している。

「このアイディアはキッチンで働く人の仕事を補うロボットである。」とGunnar Grassは語る。

人とロボットの協働(きょうどう)が目的

アメリカ調査企業:Meticulous Market Research Pvtによると2025年までにフードロボット市場CAGR(年平均成長率) を32.7%になると分析、31億ドル(約3300億円)に達すると見込んでいる。

ロボットマーケット出典:https://www.meticulousresearch.com/

実際にロボットにキッチン作業をさせようとすると、業務範囲の広いキッチンでは調理以外にも、盛り付け、洗浄、配膳、場合によっては接客業務の一部を行うフードロボットが必要となる。

このように一見するとキッチン業務を行う人を全てロボットに置き換えることが目的のように見える。

しかし、実際の目的は飲食業界の過酷な労働環境で働く人から単純な労働(計量などルーティンワーク)からの解放を目的としている。

その単純な労働を担当してくれるロボットをYPC Technologiesは開発している。

介護施設の経験から多様性を求める

モントリオールを拠点とするYPC Technologiesは2020年10月にシード資金調達で180万ドル(約1億4000万円)を調達。日本の投資企業:HikeVenturesRealVenturesが主導の資金調達にToyota AI VenturesUphill Capitalに加えて、エンジェル投資家が資金を提供。

開発された「YPC1」は20種類の食材から1時間に30食の料理を作ることができる用途の広いロボットアームを持つキッチンロボ。

材料を計量・投入出典:https://montrealgazette.com/

創設者兼CEOのGunnar Grassは老人介護施設のキッチンで働いた経験から、YPC1へ用途の広さ、作れるものの多様性を求めた。

彼の働いていた施設では一種類の料理を食事として提供していたが、食事制限や食事を好まなかったり、歯がなかったりなどの理由で多くの料理がそのまま戻ってきていたという。

そのため、YPC1は単一の料理を大掛かり作るレストランではなく、オフィスや病院、福祉施設、カフェテリアなどキッチン設備が限られている場所に導入することを目的にしている。

また、支払いはサブスクリプションで月額3,000カナダドル(約24万円) から10,000ドル(約80万円)という設定を考えているという。

専門的な料理も作れるYPC1

YPC1が作れるものにはココナッツタイグリーンカレーやインドバターチキンなどの専門的な料理などのレシピもインストールされており、揚げ物以外は対応可能となっている。

pulled chiken on rice出典:https://www.ypc-technologies.com/

人が担当するキッチン業務の置き換えではなく、人がキッチン業務で行う「かき混ぜる」「計量する」「材料の投入」など同じ作業を繰り返す「反復業務」を担当する。

加えてYPC1には調理器具、容器の洗浄といった機能はついておらず、人のサポートが必要。

次の「YPC2」の開発が始まっており、現在のレシピのレパートリーを10,000から50,000に拡張、1時間に作れる料理を30食から100食にする予定となっている。

参 考

https://montrealgazette.com/opinion/columnists/brownstein-robot-chef-whips-up-perfect-pandemic-recipes

https://agfundernews.com/ypc-technologies-targets-workplace-care-home-canteens-with-kitchen-robotics.html

https://roboticsandautomationnews.com/2020/11/10/toyota-venture-fund-invests-in-robotic-kitchen-startup/38024/?utm_source=dlvr.it&utm_medium=twitter

https://thespoon.tech/ypc-raises-1-8-million-cad-for-its-versatile-robot-cooking-kiosk/

ABOUT ME
Junichi
新しい「食に関する常識」フードテックをわかりやすく要約記事にして配信。twitterで箇条書きで毎日配信 取扱うジャンル: ゴーストキッチン・代替タンパク・キッチンロボ・アグリテックなど 経歴: 大手二輪中古販売店でバイク整備士▶︎ANAの傘下の国際物流部門で貿易業務▶︎日本橋で寿司職人▶︎カナダで海運業務▶︎帰国▶︎外資系倉庫型小売店▶︎パラレルワーカー