デリバリー

フードデリバリーの廃棄物、包装ごみゼロにする次世代ミールキット「Housemade」

Housemade-Packaging
  • フードデリバリーの普及でパッケージのゴミが大量に出ている
  • 通常のサブスク食事キットに使用する包装材料は12~13種類
  • Housemadeは平均的なデリバリーフードよりも排出されるごみが重量で比較して91%少ない

持続可能性を意識したフードデリバリーを実現したHousemade※Webページからも音声はご視聴いただけます。

フードデリバリーの包装ゴミがゼロ

アメリカのファストカジュアルチェーンJust Saladは「次世代ミールキット」と呼ばれるデリバリー専用フードブランド「Housemade」をスタート。

このサービスの特徴は、従来の使い捨てプラスチック包装を使わず、全てリサイクル・自然分解可能な包装で食品が届けられること。

Housemade-Packaging出典:https://www.gethousemade.com/

そのため平均的なデリバリーフードよりも排出されるごみが重量で比較して91%少ない。

食品廃棄物、プラスチック包装と戦うブランド」と称されるほど、徹底した包装ゴミ削減を実現している。

フードデリバリーが大量のプラスチックごみを生む

コロナ大流行で注目が集まったフードデリバリーUber EatsDOORDASHGrubhubなど一気に有名になった企業はいくつもある。

外食をする代わりに利用され、ゴーストキッチンとセットで新しい飲食ビジネスのスタイルをつくり出したと言ってよいでしょう。

フードデリバリー

さらに、決まった回数、料理または食材を定期的に配送する「食のサブスク」も始まり、フードデリバリーサービスはさらに広がっている。

日本に以前あった飲食の文化「出前」がより使いやすく、一歩進んだものになったと言ってもいいかもしれない。

ですが、デリバリーの際に料理、食材を入れる使い捨て包装パッケージが大量のごみを生み出している。

包装プラスチック

中国では食品配送サービスによって排出された廃棄物は2018年の段階で323キロトン

アメリカでは1人が毎年、平均234ポンド(約106㎏)のプラスチックごみを作り出すと言われている(アメリカ人口約3.2憶人×106㎏=年間33,920キロトン!)。

フードデリバリーの市場は2019年から2023年まで6.5%で成長すると予測がされており、使い捨て包装を使い続けると、そのゴミはさらに増えることになる。

廃棄物

Just Saladの取り組み

2020年にJust Saladは「サラダの食事キット事業(指定した料理の材料がセットになっている定期的に宅配で届けるサブスク)」を立上げた。

そのキットに使用する包装材料は12~13種類(保冷材など含む)。重量は通常の食料店での食事より3.7ポンド(約1.6㎏)重くなったという。

包装ゴミ削減と固定客の獲得のため、Just Saladは「Reusable Bowlプログラム(再利用可能な容器)」をスタート。

Reusable Bowl program出典:https://www.justsalad.com/

しかし、繰り返しJust Saladに注文をしない顧客はこのプログラムの対象とはならない。

そこでJust Saladは5カ月の調査とテストの結果、別ブランドでHousemadeを立ち上げるに至る。

 

Housemade

次世代ミールキット」と呼ばれる理由は包装に使うパッケージの種類の少なさ3種類。その3種類もリサイクル可能な紙、2オンス(約56g)の堆肥化可能な繊維、そして水溶性ステッカー。保冷剤などは一切なし。

homemade出典:https://www.gethousemade.com/

注文客が受け取るのは非常に簡易に梱包され、分割された料理の材料とレシピカード。顧客は材料をレシピに従い、1つの鍋に入れ15分ほど調理するだけで食事ができるというもの。

レシピカードには、パッケージの廃棄手順が記載されており、廃棄物は食べ残し以外リサイクル可能で出ないという仕組み。

料金態勢もJust Salad とHousemade では異なっている。Just Saladではサブスク食事キット」を家族全員分が提供される。

Housemadeはサブスクの設定はない。一食ごとに注文可能で1時間以内に配達されることが前提となっている。短時間のため保冷剤が必要なく、配達される食事キットも軽量化できた。

配達はトラックを使わず、自転車か車で配達される。今のところ注文できるのはフードデリバリーGrubhubのプラットフォーム限定となっている。今後はメニューに主食も加える予定。

just-salad-housemade従来のサブスクと次世代のミールキットの違い 出典:https://www.justsalad.com/

Just Saladが考えた新しいデリバリーサービスはパッケージの種類を減らし、素材を自然分解可能なものにして、短時間配送に切り替え、保冷剤などゴミになるものを減らす。

特に食べ物は温度管理、扱いにクセがある。その点を考慮すると大量のパッケージがゴミなって出てくる。そのような廃棄物問題に温度管理で解決策を提示する企業もある。

 

食べ物の温度管理を高度に制御する「テンプリッチャーテック(Temperature Tech)」を駆使する企業:Ember

この企業が開発した「温度調整可能なマグカップ」はアマゾンで購入可能。スマホから容器の温度を任意に調整できるという高性能マグカップ。

 

1月12日に開催された Food Tech LiveではEmberはつぎの製品として、生産者から小売りまでを結ぶ中間流通で使用する「温度設定が可能はパッケージ」を発表した。

このパッケージを使用すると「冷蔵」「冷凍」「常温」の食品を別々の場所で管理する必要なくなる。

温度維持はそれぞれパッケージ内で行われ、温度維持に必要な保冷剤が必要なくなるというもの。温度管理だけでも廃棄物の削減ができる。

 

日本もゴーストキッチンフードデリバリーが普及して、いずれパッケージのゴミが問題が深刻になる。

その前にJust Saladのような事例を見つけておき、仕組みを真似たり、温度管理をしなくてもよい仕組みを取り入れると企業として持続可能性の高さをアピールのできるのではないだろうか。

 

参 考

https://thespoon.tech/just-salad-debuts-meal-kit-brand-to-fight-food-waste-plastic-packaging/

https://sustainablebrands.com/read/product-service-design-innovation/please-hold-the-packaging-creating-a-no-landfill-meal-kit

https://thespoon.tech/ember-to-bring-its-temperature-tech-to-reusable-cold-chain-packaging/

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Junichi
新しい「食に関する常識」フードテックをわかりやすく要約記事にして配信。twitterで箇条書きで毎日配信 取扱うジャンル: ゴーストキッチン・代替タンパク・キッチンロボ・アグリテックなど 経歴: 大手二輪中古販売店でバイク整備士▶︎ANAの傘下の国際物流部門で貿易業務▶︎日本橋で寿司職人▶︎カナダで海運業務▶︎帰国▶︎外資系倉庫型小売店▶︎パラレルワーカー