- スーパーマーケットで垂直農場を設置、現地で農作物を栽培
- アグリテック企業VerticalFieldはコーシャ認証のStar-K認定されている
- 200種類の以上の作物を栽培可能で21日以内で成熟するプラットフォーム
店舗で栽培、販売
イスラエルの大手チェーンRamiLevyを利用する買い物客は、今年からスーパーマーケットで栽培された野菜を買うことができるようになる。
設置型の垂直農場を開発したアグリテック企業VerticalFieldと契約し、今後5年間で数十店舗に垂直農場を設置予定。
買い物客は遠い農地から運ばれ、日にちの経った野菜と農薬や虫害のない環境で栽培され、収穫されたばかりの野菜を比較できるようになる。

垂直農業とジオポニック
高い建築物の階層、狭い敷地、使われなくなった倉庫など都市環境を有効利用して、野菜を栽培する屋内垂直農業。
従来の広大な土地が必要な農業とは異なり、主に設置型コンテナや専用の機材の中で農薬、虫害の心配がない環境で植物を育てる。

土を使用しない水耕栽培型(hydroponics)と専用の土壌から野菜を育てるジオポニック型(geoponics:土壌ベース)のプラットフォームがあるが、RamiLevyと契約したVerticalFieldはジオポニック型のプラットフォームを採用。
専用のコンテナ内で短期間に葉物野菜を収穫可能にしている。
アグリテック企業:VerticalField
2006年設立のイスラエル企業。創設者はGuy Elitzur。

出典:https://www.calcalistech.com/ctech/articles/0,7340,L-3881416,00.html
専用コンテナの壁に整備された屋内環境で野菜を栽培。コンテナ内で植物は垂直に成長する「リビングウォール(living walls)」で栽培される。センサーが温度と湿度を調整、栽培する植物に理想的な成長条件を作成する。
外界とは遮断されており、害虫の心配がないため無農薬。200種類の以上の作物を栽培可能で21日以内で成熟することができる。

他のアグリテック企業と同じく、Vertical Fieldのプラットフォームは葉物野菜が生産物となるが水耕栽培ではない。
屋内垂直農業を開発する企業の多くは水耕栽培を選ぶが、Vertical Fieldは初期コストと運用コストが低く、農作物の品質と栽培できる品種が増やせるジオポニック型(geoponics:土壌ベース)を採用している。
2020年4月にVertical Fieldはコーシャ認証のStar-K認定を発表。Vertical Fieldの栽培する農作物が無農薬、土壌ベースの垂直農業で最高レベルという認定を受けました。
Star-K
ユダヤ教の資格を持ったラバイ(ユダヤ教の指導者)が製造工程をその目で確かめてユダヤ教の教義に従った安全な食品であるという認定を行い、認定書を発行…中略…アメリカではコーシャ認定を受けた食品が最も安全な食品、あるいは調味料やサプリメントであり、口に入れ人間が食べても何ら心配することがないものであるという最高権威を持って迎えられています。
このプラットフォームを導入したスーパーマーケット、レストラン、ホテルでは市場価格の変動に悩まされることなく、高品質の野菜を提供することができる。
さらに輸送コスト、在庫コストを削減し、天候や気象条件に左右されず、1年を通して野菜の安定供給を可能となっている。
施設内に垂直農場を設置するのは新しい試みですが、同様の試みをドイルを拠点にするアグリテック企業:InFarmが行っている。すでにカナダ、デンマーク、アメリカ、日本の食料品店や書店に「スマート栽培ユニット」を導入している。
日本ではJR東日本傘下の株式会社紀ノ國屋の店舗に「スマート栽培ユニット」を設置、栽培を開始している。
参 考
https://www.verticalfield.com/
https://nocamels.com/2020/12/israel-supermarket-chain-produce-vertical-farm/
https://www.calcalistech.com/ctech/articles/0,7340,L-3881416,00.html