持続可能性

食品ロス扱いの「見た目が悪い食品」を救うスタートアップ Imperfect Foods

Imperfect Foods
  • 「訳あり製品」を引き取り、手ごろな価格でアメリカ全土の利用者に配達
  • サービスは毎週(または隔週)で食料品を配達するサブスクリプションを展開
  • 2021年1月21日、9500万㌦(約95億円)のシリーズDの資金調達を完了

「形が悪い」からゴミ扱いの製品をサブスクで販売するImperfect Foods※Webページからも音声はご視聴いただけます。

見た目が悪い≠商品価値がない

「見た目の悪い農産物」を消費者に手ごろな価格で販売するビジネスから始まったImperfect Foods。 

その扱う品物の種類は増え、「余剰品となったコーヒー」や「サイズがバラバラな卵」など、フードロスとなっていた食品を救う食料品店となっている。

2021年1月21日、9500万㌦(約95億円)のシリーズDの資金調達を完了。総額で2億1410万㌦という巨額資金を調達。

世界中で拡大しているeコマース(食料品のオンライン販売)市場と、フードシステムの無駄を減らすことを目的にしたImperfect Foodsが提供する「手ごろな不完全な食品」は今後もその規模を拡大することが期待されている。

Imperfect Foods出典:https://www.imperfectfoods.com/

コロナ大流行でジャンプしたeコマース

アメリカの世帯では4分の1がオンラインで食料品を購入。今後10年以内に70%以上がオンラインで食品を買うようになると予想されている。

Food Marketing InstituteNielsenの調査によると、アメリカでオンライン食料品の買い物は2025年までに5倍の1,000億ドルに成長する可能性があるとされている。

この流れに一気に弾みをつけたのが、コロナ大流行アマゾン効果

しかも、コロナ終息後も多くの消費者はeコマースで食料品を買い続けると予想され、2025年までには食料品の支出全体の21.5%を占めるまでに成長するとされている。

オンラインショッピング

大手ウォルマートも2時間以内に食料品を配達するサービス「Express Delivery」などを始めて、アマゾンに対抗している。

その拡大していく食料品のeコマース市場にImperfect Foodsはポジションを確立しつつある。

日本の食料品eコマース

日本でもオンラインから食料品を買うビジネスは活発になりつつある。

自然環境に配慮して農薬や化学肥料の使用を制限、その使用回数を提示した生産者だけが登録できる食べチョク。


50年の歴史を持つ、コスモス食品オンラインショップ
コスモス食品オンラインショップ

オンラインでこだわりの農産物、肉、魚、食料品を買うのが当たり前になりつつある。

食品40%はゴミ扱い

非営利組織Feeding Americaによると、アメリカで生産、加工、輸送された食品の最大40%は食べられることなく廃棄物扱いとなり、そのまま焼却炉に行き、埋め立て地に行くとしている。

ReFEDはこの損失をアメリカの農家、企業、消費者に毎年2,180億ドルの間接的な被害を与え、毎年200億ポンド(約900万t)の食料が失われている主張。

しかも、この大量の食料の損失のうち10〜30パーセントが「見た目」が理由で廃棄されている。

形の悪いジャガイモ形の悪いジャガイモ

きっかけは農家を救うため

2015年にImperfect Produceという名前で設立。当初は農家が作る農産物の3分の1が「見た目が悪い」ということで、小売業に販売できない問題を解決するために始まった。

4年間で平均3桁の成長と独自サプライチェーンを構築。その後、農産物以外も同様に「見た目」、「余剰品」として廃棄される製品を取り扱う必要性に気付く。

2019年、Imperfect Foodsとブランド名を変え、廃棄される40%の食品をなくすことを使命に、引き取る製品の種類を拡大。扱う製品は農産物以外に常温保存食品、乳製品、肉、シーフードとなった。

2020年に地域の農産物配達サービスから、アメリカ全土フルサービス食料品店となり、登録利用者は35万人以上となったことをプレス発表で公表している。

Imperfect Foodsは食料品サブスク

Imperfect Foods毎週(または隔週)で食料品を配達するサブスクリプションでサービスを展開している。

この注文内容は顧客が完全にカスタマイズ可能となっていて、必要な食料品を追加、または削除できる。

アプリから選択出典:https://www.imperfectfoods.com/

 

そして、配達を一時的に止めることや配達頻度を変更ができ、週に1回、2週間に1回、月1回など設定ができる。

手頃な価格で「不完全(見た目が悪い)」な農産物、常温保存食品、高品質の卵、乳製品を玄関先に配送する。

配達料は地域別で$ 4.99~$ 8.99(500円~1000円)の配送料。

コロナ流行で一時停止となっているが、パッケージ返品プログラムもおこなっており利用するユーザーにとってもゴミの減量と資源有効利用となっている。

リサイクルパッケージ出典:https://www.imperfectfoods.com/

 

日本でも豊洲で「余剰品」を販売

株式会社 食文化が展開する豊洲市場(いちば)ドットコムでは余剰品、訳ありとなった農産物・海産物などを販売している。Imperfect Foodsのサブスクも該当するが、このようないわゆる「余剰品・訳あり」の製品を、買う側にとっての最大にメリットは「高級品を割安」で買えることだろう。すこし贅沢な夕食を作りたいときはうってつけといえる。

 

参 考

https://www.forbes.com/sites/neilstern/2020/04/27/e-commerce-and-grocery-this-time-its-real/?sh=1af47ecc5d65

https://www.intelligencenode.com/blog/grocery-e-commerce-set-surge/

https://www.globalaginvesting.com/insight-partners-leads-72m-series-c-imperfect-foods/

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Junichi
新しい「食に関する常識」フードテックをわかりやすく要約記事にして配信。twitterで箇条書きで毎日配信 取扱うジャンル: ゴーストキッチン・代替タンパク・キッチンロボ・アグリテックなど 経歴: 大手二輪中古販売店でバイク整備士▶︎ANAの傘下の国際物流部門で貿易業務▶︎日本橋で寿司職人▶︎カナダで海運業務▶︎帰国▶︎外資系倉庫型小売店▶︎パラレルワーカー