代替たんぱく質

細胞ベースでシイラとクロマグロを生産するスタートアップ企業BlueNalu

細胞ベースシーフード
  • 調達額6000万ドルは細胞ベースのシーフードでは最大の額
  • 2021年中にBlueNaluはアメリカ中の外食産業で「培養マヒマヒ」のテストを開始
  • 毎週200~500ポンド(90kg~226kg)の細胞ベースのシーフードが提供する施設を開設

資金調達で培養シーフードの生産に入るBlueNalu※Webページからも音声はご視聴いただけます。

高級魚を培養する

マヒマヒ(シイラ)」という魚をご存じだろうか。見た目は「スゴイ色をしている魚」といってよいほど鮮やかな色をした魚。その魚を細胞から培養して「培養マヒマヒ」を生産しようしているアメリカのスタートアップ企業BlueNalu

シイラ(マヒマヒ)シイラ(マヒマヒ)

2021年1月19日にBlueNaluは新規、既存の投資家、投資団体より転換社債融資で6000万㌦(約60億円)の資金調達を完了したと発表しました。

この資金で計画している40,000平方フィート(約12平方㎞)のテスト生産施設を開設。培養シーフードの生産を開始。

FDA(アメリカ食品医薬品局)にアメリカ最初の「細胞培養の魚肉」として審査を完了させる予定。

2021年中にBlueNaluはアメリカ中の外食産業で、「培養マヒマヒ」の初期生産品のテストを行う計画をしている。

細胞ベースのシーフード出典:https://www.bluenalu.com/

世界的にシーフードは枯渇している

国連食糧農業機関(FAO)の分析では、世界で消費される動物性タンパク質の16%は魚類が占めている。そして、その需要は上昇し続けている。アジアの可処分所得の上昇が主な原因とされているが、発展してゆく国々を止めることはできない。

乱獲の問題はさらに深刻となっており、日本でも「クロマグロ」をスーパーで買うことは不可能になりつつある。

大型機械を投入したトロール船で魚を乱獲した結果、個体数が本来の数の4%にまで減ったと言われている。

増えていく需要に対して、魚の養殖場はその生産力を求め、魚に対する扱いは工業的畜産業と同じく劣悪な環境となっている。

イギリスの大手新聞「ガーディアン」では養殖された魚の扱い酷さを取り上げている。

また、植物ベースの代替肉を生産するスタートアップ企業Impossible Foodsも、自社のスケールアップで、植物由来代替魚肉は「開発の優先度が高い」とコメント。

細胞ベース植物ベースシーフードの開発と生産、供給が世界中から切実に求められている。

世界のシーフードは2000億㌦の市場

今回の転換社債融資KBW VenturesAgronomicsLewis&Clark AgriFoodMcWinSiddhi CapitalClear Current Capital、CPT Capital、Flat World Partners、Losa Group、OurCrowd、Silicon Valley Community Foundation、AiiM Partners、Strayが参加。

調達額6000万ドルは細胞ベースのシーフードではBlueNaluは最大の資金調達額となった。

BlueNalu

BlueNaluは2018年に設立。

サンディエゴの生産施設から様々な細胞ベースのシーフードを導入、生産を予定している。今年後半には「細胞ベースのマヒマヒ」を発売。その後は「細胞ベースのクロマグロ」を発売する予定としている。

BlueNalu のCFO:Amir Feder氏は

“今日、シーフードの世界市場は非常に脆弱であり、推定2,000億ドルの価値がある”とコメントしている。

新しく開設される生産施設からは毎週200~500ポンド(90kg~226kg)の細胞ベースのシーフードが提供できるようになる。

BlueNalu が生産する「細胞ベースのマヒマヒ」がアメリカ中のレストランでテストされる日がそこまで来ている。

 

参 考

https://thespoon.tech/bluenalu-secures-60m-for-production-of-cell-based-seafood/

https://www.wamda.com/2021/01/kbw-ventures-invests-bluenalu

https://www.greenqueen.com.hk/alt-protein-startups-mycotechnology-bluenalu-take-home-top-prizes-in-radicle-protein-challenge/?utm_source=dlvr.it&utm_medium=twitter

https://jp.techcrunch.com/2019/07/08/2019-07-07-fish-replacement-may-be-the-next-big-wave-in-alternative-protein-development/

http://www.fao.org/3/i3640e/i3640e.pdf

アイキャッチ画像:https://www.bluenalu.com/

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Junichi
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