代替たんぱく質

細胞ベースのシーフードを培養する香港のフードテック・スタートアップ企業AvantMeats

  • 培養技術で製造するのは「魚の浮き袋」
  • 香港で唯一のシーフード培養をしているスタートアップ企業AvantMeats
  • 魚の切り身のプロトタイプを11月に料理して披露
  • 12月に新たな資金を調達310万ドル(約3.1億円)

培養技術で珍味を製造

香港で唯一シーフードの培養を開発するスタートアップ企業AvantMeats。

彼らが作るのは一般的な魚やエビといったシーフードではなく珍味扱いとなっている「魚の浮き袋」と「ナマコ」。生産コストが高くつく培養技術で珍味をつくるというAvantMeatsについて解説。

世界的に水産資源は奪い合い

魚介類など水産資源に私たち日本人の関心は高い。世界的にみても魚介類を好んで食べる人が増え、現在は水産資源の奪い合いとなっている。そして、同時に枯渇が叫ばれている。

水産資源出典:Susanne PälmerによるPixabayからの画像

特に好まれているのは高級食材・珍味と呼ばれる魚介類。日本ではウナギ、黒マグロなどがこれに該当。オーストラリアではメロと呼ばれる魚が高値で取引される。

中国で珍味と言われるのは「フカヒレ・ツバメの巣・アワビ・ナマコ・魚の浮き袋・鹿の角・ウミヘビ」といった海と関係している品は多い。

この珍味の「魚の浮き袋・ナマコ」を培養して作っているのがAvantMeats。

スタートアップ企業:AvantMeats

設立2018年

創設者 Carrie Chan

創設者Carrie Chan創設者Carrie Chan 出典:https://www.bottledinchina.com/avant-meats-carrie-chan/

資金調達の流れ

  • 2019年11月 シード前の資金調達
  • 2020年12月 シード資金調達310万ドルの調達

この資金調達に

China Venture Capital

AngelHub

ParticleX

Lever VC

CPT Capital

Loyal VC

Artesian

などが参加している。

なぜ珍味の開発に注力したのか

AvantMeatsが珍味を製品として選んだのは「浮き袋」の取引値段だけではありません。

彼らにとって「浮き袋」の製作が肉の切り身を培養するより容易であったことも1つの要因。

ステーキのような肉を細胞ベースで作成しようとすると、筋肉細胞脂肪細胞結合細胞を必要とします。しかし、魚の浮き袋は1つの細胞のみで成り立っている。

AvantMeatsは1か月ほどで「浮き袋」を1から製作することができるそうです。そして、スケールアップが肉に比べるとはるかに容易という。

中国で「浮き袋」の需要は非常に高く、「浮き袋」のために2種類(バハバトトバ)の魚が絶滅の危機に瀕し、両方とも絶滅危惧種として認定されている。

トトバトトバ
出典:https://www.fisheries.noaa.gov/species/totoaba

そして、中国では依然として商品ラベルと実際の中身が違う品、いわゆる「偽物」の取引が多くされている。

このような背景があり、AvantMeatsは市場に希少価値があり、切望されている製品を生産。

人々により良い製品を低価格で市場に出すために「浮き袋」を最初の製品として選んだとしている。

AvantMeatsは「浮き袋」だけでなく、2020年11月に魚の切り身のプロトタイプを披露。培養した切り身でフィッシュバーガーを提供。

今後は12月に調達した資金で培養するシーフードの生産コストの削減、研究開発、2021年に製品を市場に投入することを計画している。

同じく今月はEatJust社が培養肉製品を初めてシンガポール当局から販売の承認を得ました。

それに続く企業が増え、培養された肉、シーフードが増えることになるでしょう。

まとめ

珍味を培養生産することで、絶滅危惧種の保護と食品の供給の2つの問題解決を狙うスタートアップ企業AvantMeats。

もし、順調に「培養浮き袋」が商品として中国市場に普及したら、培養製品よって2つの問題が解決されたことを意味します。

フードテックで食糧問題と絶滅危惧種の保護、2つの問題を解決できるかどうか…。結果を早く見たいですね。

参考

https://www.foodnavigator-asia.com/Article/2019/08/21/It-s-o-fish-cial-Hong-Kong-s-Avant-Meats-developing-cell-based-fish-maw

https://www.gfi.org/meet-the-women-bringing-cell-based-meat-to

https://thespoon.tech/hong-kongs-avant-meats-raises-3-1m-for-its-cell-based-seafood/

https://www.greenqueen.com.hk/hong-kongs-avant-meats-debuts-asias-first-cultivated-fish-fillet/

https://thespoon.tech/avant-meats-has-first-public-taste-test-of-cultured-fish-maw-in-hong-kong/

https://thespoon.tech/avant-meats-develops-cultured-seafood-fish-maw-sea-cucumber-for-a-chinese-audience/

https://www.gfi.org/meet-the-women-bringing-cell-based-meat-to

https://www.maruha-nichiro.co.jp/corporate/ir/investors/guide/initiative/initiative02.html

http://chugokugo-script.net/shoku-bunka/chinmi.html

https://powing.com/product/fish-maw/

https://www.avantmeats.com/

https://style.nikkei.com/article/DGXZZO6163635017072020000000/

https://www.crunchbase.com/organization/avant-meats/signals_and_news

https://www.linkedin.com/company/avant-meats/

アイキャッチ画像:https://plaza.rakuten.co.jp/epice/diary/200909200000/

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Junichi
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