代替たんぱく質

細胞培養とジビエを掛け合わせて珍しい動物の肉を培養するVow foods

  • 牛、鶏、豚、羊以外の動物の細胞を培養して肉を作ろうとしている
  • 最高の料理体験の提供を目指しているスタートアップ企業
  • 2022年に培養したカンガルー肉を市場に提供予定
培養肉で食肉の枠を変えようとするVow foodsついて解説 ※Webページからも音声はご視聴いただけます。

家畜ではない動物の肉を培養

家畜の細胞を培養して肉にしたのが、一般的に認識される「培養肉」。しかし、培養する動物が家畜である必要はない。そのことを追求しているオーストラリア、シドニーを拠点にするスタートアップVow foods

培養している動物の細胞はカンガルー、カメ、アルパカ、山羊、水牛など、一般的に馴染みのない、食べることがない動物である。

2019年のスタートアップ以来、カンガルー肉の細胞培養の開発に成功、その肉を使ったシューマイ(dumpling)を披露した。

2021年1月6日にはシードラウンドで資金調達を完了する。この時参加したのはTenacious Venturesと既存の投資家であるBlackbird VenturesGrok Ventures。調達額はアメリカドルで600万ドル。

培養カンガルー肉団子出典:https://www.vowfood.com/

食肉となっているのはわずか4種類の動物(魚を含めると5種)

私たちが普段食べる動物の肉は牛、鶏、豚、羊がほとんどです。これ以外の動物の肉を食べる機会はなかなかありません。

これらの動物は人間が家畜化に成功したほんの僅かな種類の動物たちです。しかも、これらは数千年前から大きな変化はありません。

その限られた食肉に新しい選択肢最高の料理体験を提供したいと考えているのがVow foodsです。

創設者のTim Noakesmith

ガラパゴスゾウガメの肉がどれほどおいしいか、またはジュゴンの脂肪の豊富さなど、さまざまな歴史的報告がありますが、これらの動物を食物に変えようとすると、その個体数を減らす可能性があります。したがって、Vowは、今日の既存の肉の選択肢を複製するだけでなく、ユニークな料理体験を提供する新しいカテゴリーの食品を作成しようとしています。とコメントしている。

ガラパゴスゾウガメ

最高の料理体験を提供したい

Vow Foodsは2019年にGeorge PeppouTim Noakesmithによって設立。当初から家畜の細胞で一般的な肉を作るだけはなく、あまり一般的ではない動物の細胞を培養してきたという。

創設者のTim Noakesmith (左) George Peppou (右)Tim Noakesmith (左) George Peppou (右)
出典:企業HP
https://www.vowfood.com/

最初に開発に成功したカンガルー培養肉は野生動物の培養肉としては初の事例。

Vow Foodsは「家畜化された動物細胞株」と「エキゾチックな動物細胞株」の両方を揃える「細胞ライブラリー」の作成を試みている。これが完成すると様々な食品ブランド用に培養肉を開発が可能となる。2021年1月の段階で細胞ライブラリーには11種類の動物細胞株があるコメントしている。

フードサービスを通じて市場参入を計画しており、培養肉を高級レストランのシェフNeil Perryと協力して、6種類以上の料理にしており、従来の動物肉では味わえない枠を超えたユニークな料理体験を提供することを目指している。

シェフNeil-Perry出典:https://medium.com/vow-food

2021年1月6日の資金調達600万ドルに関してGeorge Peppou氏は「科学企業から食品企業への進化における重要なステップである」とコメントしている。

製品の成功を繰り返すために食品チーム生産チームの構築を急いでいる。加えて、シドニーに最先端の設備が整ったデザインキッチン、チームも作業可能なフードデザインスタジオ「Vowse」を建設中。

2022年までに培養されたカンガルー肉を市場に投入し、将来的にはより型破りな培養肉を開発。「家畜化された動物の肉」という制限を取り払い、特別な新しい料理の選択肢を作ろうとしている。

 

市場に参入についてはTim Noakesmith 氏は

アジアの規制当局はより速く動くと信じているので、最初はそれらの市場をターゲットにします。とコメントしている。

アメリカのEat Just社が開発した培養鶏肉がシンガポールで世界初の市販化に成功し、培養肉スタートアップ企業は、最初の進出をアジアに向けている。

 

もし機会があるならば、珍しい動物の肉を一度は食べてみたいという好奇心を誰もが湧くのではないでしょうか。

Vow Foodsが開発する新しい「肉の選択肢」は料理の在り方を変えるでしょう。

大航海時代の船乗り

それこそ16、17世紀の大航海時代、船乗りしか食べたことがなかった希少動物の肉を食べることも選択肢に入るかもしれません。

 

参 考

https://agfundernews.com/vow-raises-6m-with-aim-of-diversifying-worlds-protein-sources.html

https://thespoon.tech/vow-foods-maker-of-cell-based-kangaroo-and-other-meats-raises-6m/

https://www.greenqueen.com.hk/australian-food-tech-is-developing-cell-cultured-exotic-animal-meat-zebra-yak/

アイキャッチ画像:https://www.vowfood.com/

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Junichi
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