
冷蔵庫で食品を保存できるのはどれくらい?3日?4日?
一週間おいておいた食品を食べるのは勇気がいります。
もしも常温2年間だいじょうぶな真空パックの肉があったら?
それを実現した技術と企業紹介です。
◎方法は徹底殺菌と低温調理
食品を保存するパッケージを過酸化水素水(いわゆる漂白剤)で殺菌。
真空パックを開けると、液体が一緒に入っていますよね。あれには殺菌の役割があります。
多くは油、またはソースです。この液体を160℃で5~10分加熱殺菌。
通常バクテリアは食品の表面にしか付いていません。
なので、食品の表面を30秒だけ160℃で殺菌します。30秒という短時間で食品の風味や水分が残します。
そして、パッケージ、殺菌液、肉、無菌状態にして密閉。
その後、パックを60℃のお湯で2時間かけて低温殺菌。
この方法で防腐剤や化学物質も不使用。
これにより、無菌状態で密閉、調理しているため、ASAPパックされた肉は常温でも数ヵ月~2年ほど、食品の鮮度を維持できるということです。
缶詰と比較すると…
似たような食品の保存方法として缶詰があります。
缶詰は食品を容器に入れてから、約120℃で高温殺菌処理します。 高温のため殺菌はできますが、中身の食品の香りや水分が失われるという欠点があります。

◎ASAPの開発企業:IXON Food Technology
香港に拠点を置くスタートアップ企業IXON(イクソン)。
冷凍せずに食品を世界中に運べるこの技術がエネルギー節約、環境負荷軽減、食品ロスの削減が可能。また、運送中や小売店で冷凍や冷蔵のためのコストを掛けずに常温保管できる。
これは同様に一般家庭でも、常温で肉製品が保存可能になります。
◎今後の展望
今後は実際に食品流通で使用されて有効性が証明されることになっていくでしょう。
また、開発企業のIXONがこの技術をどのように広めていくのかが注目されます。
他の食品加工の企業にライセンスを売るのか、自社で真空包装をする企業を育てるのか。
2020年10月の段階ではアメリカ、EU、中国に特許申請中ということです。
◎まとめ

食品の保管方法として殺菌、真空パック、低温調理を組み合わせて無菌状態を作り、常温でも長期のあいだ鮮度維持が可能。
広く実用化がされたら、食品を運ぶ間にでてくる大量の食品ロスを減らし、非常食の保存方法としても期待できます。
2020年10月でIXONはサーロインステーキとポークチョップを製品としてリリースしています。
数年後には非常食がとても豪華になっているかもしれませんね。
参考:
https://thespoon.tech/ixon-food-technology-keeps-meat-fresh-for-two-years/